そんなローカル線を横目に、秋田新幹線の旅を続けよう。新幹線は、花火で有名な大曲の駅でスイッチバックを強いられる。大曲駅で田沢湖線が終わり、ここからは奥羽本線に乗り入れる形になるからだ。
奥羽本線は、福島駅を起点に米沢・山形・新庄を経て及位―院内間で秋田県に入る。かまくらで知られる横手駅では北上線と接続し、大曲駅では田沢湖線。かつては寝台特急も走った大動脈だったが、いまは山形・秋田新幹線が乗り入れるだけ。とくに新庄―大曲間はほとんど普通列車だけの、事実上のローカル区間になっている。
ともあれ、大曲駅から秋田新幹線は奥羽本線の線路の上を走る。山形新幹線区間は新幹線に合わせて在来の普通列車も標準軌に変更しているが、こちらは狭軌と標準軌の併存区間。三線軌道になっているところもあれば、狭軌と標準軌の単線並列になっているところもある。
県都の玄関、秋田駅
そうして雄物川沿いを走り、秋田県都の玄関口・秋田駅。秋田市は、人口約30万人。東北地方では仙台・いわき・郡山に次ぐ、第4の規模を誇る都市だ。駅の西側には久保田城。駅前一帯には中心市街地が広がっている。
秋田駅に乗り入れている路線には、奥羽本線・秋田新幹線に加えて羽越本線がある。羽越本線は、新潟県の新津駅を起点に山形県内の日本海側、鶴岡・酒田などを経て秋田までやってくる。
秋田県内では羽後本荘駅で第三セクターの由利高原鉄道鳥海山ろく線を分ける。羽後本荘―矢島間23kmという短い盲腸線で、その名の通り鳥海山の北麓を走るローカル線だ。秋田おばこに扮したアテンダントが乗務するなど、観光路線としての側面も持っている。
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