勘違いも多い「年末調整」「確定申告」が必要な理由 「税金を余計に納めなきゃいけない」わけではない

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では、どんな人が「確定申告しなければならない」のか。以下にまとめてみました。

会社員でも確定申告が必要な人
(1)副業による所得が20万円を超える
(2)給与の年間収入が2000万円を超える
(3)年の途中で退職して、再就職していない
(4)「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない
(5)不動産を売却して儲けが出ている
(6)2カ所以上から給与をもらっている
(7)満期保険、解約返戻金が一定額を超えた

私は副業を勧めているので、いちばん関係があるのは(1)ですね。ここで注意してほしいのは「所得が20万円を超える」というところです。

所得=収入-必要経費

なのでもし、40万円の収入があって、必要経費が30万円かかっていたとすると、「40万円-30万円」で所得は10万円だから、確定申告をしなくてもOKということになります。

払った税金が戻ってくる!?「還付金」とは?

もう1つ知っておいてほしいのは、「したほうがいい」確定申告です。支払った税金が「還付金」として戻ってくる確定申告は、主に2パターンが考えられます。

①副業で源泉徴収されているとき

副業でバイトや単発の仕事をやった場合など、報酬を支払う側(法人)は、支払う前に「源泉徴収」といって税金を集めておき、税務署に納税する義務があります。

もし、副業のライターの仕事が年間で100万円の報酬だった場合、手元には90万円が入り、10万円の税金をすでに払っていることになります。経費を多く使っている場合、確定申告をすることで、支払った税金の一部が「還付金」として戻ってくる場合があります。

②医療費を多く支払ったり、住宅ローンを組んだり、寄付をしたとき、また何らかの被害を受けたとき

会社員の人でも、医療費控除、寄附金控除、雑損控除は、年末調整では計算されません。自分で確定申告をすると税金が戻ってくる可能性があります。また、住宅ローン控除も、制度対象の物件のローンを組んだ翌年に確定申告をすることで受けられます。特に副業で損をした場合などに、確定申告をすると損益通算ができるんでしたね。つまり、節税できるので、副業がうまくいっていないときほど、確定申告は大切ですね。

確定申告の詳しいやり方は、国税庁のホームページにありますので、ここでは、ごくごく簡単にやり方と提出時期を説明します。

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