日高屋｢450円朝定食｣が魅力的なのに惜しい理由 十分いいのに､通常メニューが良すぎて…？

目の前にはどーんと、巨大なプレーンオムレツのような玉子焼き。スタッフの方に「かなり大きいですが、使用している卵は2個ですか？ 3個ですか？」と確認したところ「調理にはあらかじめ卵を溶いた卵液を使用しているため、何個とは言えませんが、たくさん使っています」とのことでした（忙しい仕事中に親切に教えてくださり、ありがとうございます）。

玉子焼きを割ると、空気を含んだ幾重にも折り重なった層になっていました（筆者撮影）

中華料理店でしか出せない味わいの玉子焼き

味は極めて素朴。だけど、それがイイ。何も考えずに食べるとごく普通の玉子焼きなのですが、しっかり味わって食べると中華料理店でしか出せない玉子焼きだなと気づきます。たっぷりの層になった玉子焼きは、しっかり火が通ってぷりっとした部分と、しっとりと半熟の部分が入り混じり、楽しい食感に仕上がっています。

玉子焼きの中央を割ると、ランダムなドレープが折り重なっています。大きな中華鍋をアツアツに熱して、大量の卵液を流し込み、おたまで豪快にかき混ぜる姿が目に浮かびます。中華料理店で使用している油の独特の香りも相まって、家庭料理では出せない旨味があります。

玉子焼きをオンザライスでいただきます。火が通った部分と半熟の部分がランダムに混ざり合い絶妙な食感です（筆者撮影）

だし汁の旨味が染み込んだ卵液を、玉子焼き専用の四角いフライパンで巻き上げただし巻きもいい。小さなオムレツパンに卵液を流し込み弱火で火を通して繊細に仕上げたプレーンオムレツもいい。でも、中華鍋でダイナミックに調理した、無骨な玉子焼きにしか出せないおいしさはあるのです。しょうゆをかけて、白ごはんと一緒にかき込みます。