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「構造改革」を引っ込めたマクロン仏大統領の変節 国家介入主義を強めるフランス経済の前途不安

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  • 土田 陽介 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員

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就任2期目に入り、変節がはっきりしてきたフランスのマクロン大統領(左)(写真:Bloomberg)

2017年5月、弱冠39歳にしてフランスのリーダーに就任したエマニュエル・マクロン大統領は、フランス経済の体質改善の重要性を訴え、構造改革の断行を公約に掲げた。1期目(2017年5月〜2022年5月)の任期は、解雇規制の緩和などの労働市場改革で一定の成果を上げた。2期目(2022年5月〜2027年5月)の就任直後も、年金改革を断行した。

本来、規制緩和に代表される構造改革は、それによって民間の活力を引き出し、経済の成長を促すことを狙いとしている。その意味で、構造改革は、自ずと「小さな政府」を目指す方向と合致する。したがって、政府が構造改革を進めていけば、経済活動における政府の役割は徐々に後退し、民間の役割が強まっていくことが期待される。

フランスは欧州内でも突出する「大きな政府」

実際にフランスの名目GDP(国内総生産)に占める一般政府部門の歳出の割合は、マクロン大統領が就任する直前の2016年には56.7%であったが、2019年には55.4%まで低下した。それでも、ほかのユーロ圏諸国に比べれば、フランスの一般政府部門の歳出は膨らんだままであり、フランスは依然として、福祉国家の多い欧州内においても「大きな政府」であることがわかる。

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