やたら「ウザい」ばかり言う子どもに潜む深刻問題 丁寧に聞くと「遠足が楽しみでソワソワ」してた

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出口:認めることは非常に大事です。大人も子どもも、否定されて嬉しい人なんていないでしょう? 肯定されている、受け入れられていると感じるから、自分で問題解決に向かおうとすることができるんです。

でも、あまり肯定された経験のない子が多いのではないでしょうか。今の時代、「公園でこの遊びをしちゃダメ」「スマホやタブレットでこういうことをしてはダメ」などなど、制限されることが多いですよね。子どもにとっては大変なことが多いのに、失敗すると否定されます。制限に抵触しなければ何も言われないですむけれど、なかなか褒められることがありません。

(写真:伊藤孝一)

本当は、ちょっとしたことでどんどん褒めていいはずなんですが、今の親世代もあまり褒められてきていないんでしょうね。否定するか、何も言わないかが基本で、なかなか褒めない社会のように感じます。褒め言葉を素直に受け取ることができない子は多いですよ。

小川:確かに……。褒められたときに反応できず無視したり、「そんなわけがない」と言ってあやしむような態度をとる子たちをよく見かけます。

出口:もっと肯定することが必要だと思います。犯罪者や非行少年の心理分析をする際、相手は疑心暗鬼のカタマリだったりしますから、「どうせ悪いヤツだと思っているんだろ」という態度です。「本当にちゃんと話を聞いてくれるんだ」とわかってもらえるまで時間がかかりますよ。

うまく言葉が出てこない子の話を、否定せずに丁寧に聞き取るのは根気がいります。時間がかかります。それでも、面倒がらずに聞いて引き出していくことが大事です。

辛口コメントが面白いのは、文脈や関係性があるから

小川:小中学生の保護者500名に「子どもの気になる言葉」について自由記述式でアンケート調査を行ったところ、トップ10はこうでした。1位「ヤバい」2位「ウザい」3位「ガチで」「キモい・きしょい」(同数)5位「死ね」6位「草」7位「マジで」8位「おまえ」「うっせーわ」(同数)10位「それな」。

子どもの言葉のアンケート結果
(小中学生「子どもの気になる言葉」トップ10)

出口:学生たちも使っているのでよくわかります。こういった流行語がポジティブなものだったら別に問題にならないですが、ネガティブだから気になります。「ガチでキモい」「おまえマジでうっせーわ」というように、組み合わせてネガティブ度が増していきますから、ネガティブの二乗、三乗ですよね。会話の中にこれがいくつも出てくれば、否定だらけになります。聞いている側がポジティブになれるかといったら、そんなはずはないでしょう。

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