「断り方」が上手い人と下手な人の決定的な差 断るときはいきなり「ノー」と言うのはNGだ

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「楽しい」「うれしい」など、ポジティブな感情を言葉で表現するのは、比較的容易かもしれません。誰しも快いことを感じるのは嫌いではないからです。反対に「イライラする」「ムカつく」「腹立たしい」といったネガティブな感情は、体験したくないし、思い出したくもない。

特に激しい怒りを感じたときは、気持ちがガーッと暴走し、感情を丁寧に感じる余裕などないかもしれません。

そこで、少し立ち止まって、怒りについて整理してみましょう。あなたが怒りを感じたときを思い出して、その前に他の気持ちはなかったか、探ってみてください。

例えば、

・バスに乗り遅れそうで急いでほしいときに、パートナーがゆっくり身支度をしていると、「早くしてよ!」「何度言えばわかるのよ!」と怒る
・残業を頼んだ部下に、「無理です」と即答され、「上司の指示を断るなんて、なんと生意気な!」と怒りを感じる

など、怒っているとき、人はその直前に何か嫌なことや体験したくないことに出合っていて、怒る直前には、「困った」「参った」などの気持ちがあります。

・「急いでほしい」→「でもグズグズしている」→「バスに乗り遅れたら困る」→「困るようなことを私にしているあなたは許せない!」
・「残業してもらいたい」→「断られてしまって、困った……」→「言い方も気に食わない」→「上司にこんな思いをさせるなんて失礼だ!」

こうして怒りを爆発させているようです。

怒りの手前に「困っている」気持ちがある

イライラするときや、ムカつくときなども同様です。仕事が予定どおりに進まずイライラするのは、思いどおりにいかない状況に困っているから。人の言葉でムカッとするのは、聞きたくないことを言われて困っているとき。

このように、怒りの手前に「困っている」気持ちがあるとわかると、そちらを伝えることができます。そうすると、相手は逃げたり、攻撃を返したりせず、困ったあなたに対応してくれる可能性が高くなるのではないでしょうか。

アサーションの研修で、参加者に「怒る前、どんな気持ちがありましたか?」と聞くと、「困っていた」「悲しかった」「悔しかった」「恥ずかしかった」などいろいろな気持ちがあることを教えてくれます。

怒りの手前には別の感情があって、その感情を起こさせた相手が悪いと怒っている。そうだとすると、自分が起こした感情を相手の責任にして怒っていることになります。

ネガティブな感情を覚えたときは、その気持ちを振り返って、裏にあるもうひとつの感情に気づくと、気持ちが整理されます。ネガティブな感情(怒り)を感じる前には、「困った」「がっかり」などの感情があります。そして、そちらのほうが相手に伝えやすいでしょう。

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