IT企業トップが語る「タスクの漏れ激減の理由」 SaaS事業に10年以上注力、経営者の証言

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USEN Smart Works 代表取締役社長の大下幸一郎氏 業務企画部長の稲葉大輔氏
ツールの導入で、働き方が大きく変わった。そう振り返るのが、顧客企業の働き方改革をサポートしているUSEN Smart Works(USEN-NEXT GROUP)だ。同社が採用したのは、ワークマネジメントツール「Asana」。導入後、タスクの漏れや遅延が体感値として、それまでの20%以上から5%ほどに減少。業務効率がぐっと上がったほか、当初想定していたよりずっと大きな成果があったという。同社はどのようにして業務効率化を進めたのか。その詳細について取材した。

タスクの漏れや遅延が生じ、試行錯誤していた

USEN-NEXT GROUPのUSEN Smart Worksは、ICTサービスを提供するUSEN ICT SolutionsのSaaS部門が分社化し、2019年に設立された会社。前身時代を含めると、SaaS事業に10年以上注力してきた。代表取締役社長の大下幸一郎氏はこう話す。

「“働き方を一歩前へ”をビジョンに、企業の働き方改革を、さまざまなSaaSツールを活用してサポートしています。メーカーではないからこそ、ビジネスの現場が抱える課題に合わせてフラットにツールをご紹介できるのが当社の強みです」

USEN Smart Works 代表取締役社長の大下幸一郎氏
USEN Smart Works 代表取締役社長
大下 幸一郎

数十人の社員で、数千の顧客企業およびあまたのツールに対応している同社。数年前までは業務遂行上の課題を抱えていた。タスクは各自がそれぞれの方法で管理していたが、事業推進の業務、顧客企業へのソリューション提供、各ツールの仕様変更など多岐にわたるタスクを並行して進めるため、さまざまな混乱が発生していたのだ。

「例えば、業務の中で何かトラブルが発生した場合、まずは最優先でその対応に当たります。対処のメドがつき通常業務に戻る際、何をどこまでやったか、今どこの誰がタスクを持っているのか、すぐに把握できない。結果、チャットやメールを延々とさかのぼる必要が生じます。また、営業支援システムに最新情報が反映できていないことに気づかず、案件を進行してしまうケースも度々ありました。改善に向けて試行錯誤しながらも、自社で工夫する部分には正直限界を感じていて、改善のためにはタスク量を制限するか、漏れや遅延をある程度容認するしかないのだろうかとすら考え始めていました」と、大下氏は振り返る。

仕事の“地図”を作れるツールだと感じた

そんな中で出合ったのが、Asanaだった。仕事柄、日頃から多くのSaaS製品に触れる大下氏だが、一目で「これだ」と感じたという。

「何より大きな魅力は、数あるプロジェクトとそれにひも付くタスクの両方を俯瞰し、一元管理できることです。タスクもプロジェクトごとに整理されるため、バラバラになるリスクがない。さらに管理職、現場のリーダー、メンバー、と各ユーザーに合わせて視点を切り替えられるため、ノイズもない。Asanaは仕事の“地図”を作れるツールではないかというのが第一印象でした。タスクを管理するツールはほかにいくつもありますが、業務を一目で見渡して“ワークマネジメント”を実現できる点で、当社にはAsanaが合っていると感じました」

こうしてAsanaの導入を決めた同社。実際に使用開始したのは2020年のことだった。ただ、いきなりすべてのプロジェクトに導入するのではなく、段階を踏んでいくことに。これが、導入を成功に導く要因となった。同社業務企画部長の稲葉大輔氏はこう振り返る。

USEN Smart Works 業務企画部長の稲葉大輔氏
USEN Smart Works 業務企画部長
稲葉 大輔

「まずはスモールスタートで、いくつかの小規模なプロジェクトにテスト導入しました。またメンバーの心理的ハードルを下げるために、『“マイタスク”と“受信トレイ”だけ確認していればOK』と伝えました。その半年後くらいから、業務を一定の型に落とし込む“テンプレート”機能を使い始め、さらにその半年後に“ワークフロー”機能による自動化も進めていきました。現場で摩擦が生じないよう、緩やかに導入していった感覚です。最初の半年で、仕事の動線を整理するという大きな目的を果たせたので、ほかの機能の活用にも弾みがつきました」

業務の進め方のキモを“プロジェクト化”できる

こうして同社がAsanaを使い始めてから、約3年が経つ。得られた成果は、大下氏や稲葉氏が当初イメージしていたよりもずっと大きなものとなった。

契約のワークフロー画面
契約のワークフロー画面。適宜、関係者(コラボレーター)を追加したり、コメントを書き込んだりすることができる

「まず、タスクの所在がわからないという状況がなくなりました。体感値にはなりますが、タスクの漏れや遅れが全体の20%ほどあったのが、Asana導入後は5%以下に減ったと思います。Asanaで漏れを検知でき、速やかに対応できるようになりました。他部署から振られたタスクを、自分のチームの誰に渡していいか判断がつかないまま失念してしまうこともなくなりました。

それからもう1つ、メンタリティーにも大きな変化がありました。これまでは会議などで『これは○○さんの業務ですね』とタスクを振ったとき、その場が殺伐とする雰囲気がありました。Asanaでは、空欄を埋める形で『これは僕のタスクですね』『これは○○さんでは?』と、無理なく担当者を割り振れるようになりました。加えて『これの締め切りが5日後だから、あの資料を2日後に完成させよう』と、期日も合理的に設けられる。とても建設的な変化がありました」(大下氏)

「とくにリモートワークでは、わざわざ電話をかけるほどではないが少し話して確認したい、といった場面が度々生じます。そういう場合にチャットを使うと、時間が経つと流れて消えていってしまうことがあります。Asanaを使えば、会話の内容をログとして残せるため便利です。またタスクを『ここから先は○○さんに任せよう』と引き継ぐのもスムーズに。自分がコミットできる業務が大幅に増えました」(稲葉氏)

業務の引き継ぎにおいてもメリットがあるという。もともと同社では、異動や長期休暇などに対応する際、膨大な時間をかけて業務マニュアルを作り、後任に受け渡しをしていた。対してAsanaなら、業務のアーカイブをテンプレート化したものを簡易版のマニュアルとして使うことができ、そのURLを共有することで簡単に引き継ぎが行えるようになった。

「例えば先日、あるプロジェクトの担当者が育児休業に入った時も、Asanaのテンプレート機能を使って彼の業務をマニュアル化したことで、ほかのメンバーが適宜分担しながら滞りなく引き継ぐことができました。具体的な業務の進め方はもちろん、感覚的な部分や、その業務ならではの特殊事情や注意点なども含めて引き継ぐことができるので、重宝しています」(大下氏)

USEN Smart Works 代表取締役社長の大下幸一郎氏 業務企画部長の稲葉大輔氏

テンプレートは業務の引き継ぎに限らず、社内で同じ系統のプロジェクトを立ち上げる際にも使える。大下氏はほかのツールとAsanaを連携させ、業務遂行に関係するほぼすべての情報をAsana上に集約して、日々のタスクを進めているという。

「私自身、Asanaを通して業務を無理なく整理し、うまくマネジメントできるようになりました。Asanaには絶大な信頼を置いています。このワークマネジメント方法はお客様に製品をご提供する際にも役立ちますが、そのときにお伝えしているのは『Asanaはとてもフレンドリーなツールである』ということ。ITリテラシーのレベルにかかわらず、幅広いビジネスパーソンが使えます。Asanaを通して、“ワークマネジメント”の概念が、日本にももっと広まっていけばと思います」と大下氏は期待を寄せる。

“働き方を一歩前へ”のビジョンにドライブをかけている同社。単なるタスク管理を超え、業務の割り振りから社員のメンタリティーにまで役立つ「ワークマネジメント」を、Asanaと共に手にしていく。

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