長寿者が多い「5大地域」で判明した意外な共通点 "百歳人"に学ぶ元気で長生きするヒント

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人のいちばんの長寿要因は「社会とのつながり」。日本の「ブルーゾーン」沖縄の今と、人々の生活から長生きのヒントを探る(写真:yamasan/PIXTA)
ただ長生きするではなく、近年注目されるのが「健康寿命」だ。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を示す。
ここに衝撃的数字がある。世界保健機関(WHO)が発表した2021年最新の統計によると、日本人の平均寿命は84.3歳で長寿世界一の座を守り続けている。しかし「健康寿命」を見ると、平均寿命と健康寿命との差は9.3年で、調査が実施された世界131カ国中60位との報告もあるのだ。
どうしたら、最期まで元気な人生を送れるのだろう。そのヒントは「ブルーゾーン」に暮らす長寿者の生活にあると琉球大学教授の荒川雅志さんは言う。「ブルーゾーン」とは100歳超の長寿者が多く暮らすエリアのこと。『The Blue Zones(ブルーゾーン) 2nd Edition(セカンドエディション)』の監修も務めた荒川さんは、その中でもこれからの注目は「TSUNAGARI」(つながり)だと言う。

グレートリセットの時代

今、世界は、“グレートリセット(Great Reset)”の真っ只中にある。グレートリセットとは、今の社会を構成するさまざまなシステムをいったんすべてリセットすること、つまり新世界秩序に向けて一大転換することを示し、2021年世界経済フォーラム(通称ダボス会議)のテーマだった。

ダボス会議の創設者であり、グレートリセットの提唱者クラウス・シュワブ博士は、新型コロナ後の世界では、人々の生活、常識は根底から覆されると言い切る。

しかし、そもそも人類には遠い昔から変わらない「欲求」というものがある。たとえば、お金も、名声も手に入れた為政者は、最後は「不老長寿」を目指した。不老長寿にまつわる言い伝えや物語も世界には多い。

いつまでも活き活きと健やかに、心身ともに健康で長生きをすること、長寿を手に入れることは、今も昔も、人類の永遠の希求なのだ。グレートリセット──ウィズ・アフターコロナで変わる世界と価値観とは、ようやくわれわれが、本質的な人類の欲求に気づいたと言い換えていいだろう。

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