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羽生結弦のプロ転向会見に見た圧倒的な人間の幅 揺るぎない自負と「つらさや弱さをさらけ出す」強さ

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  • 木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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ビジネスパーソンにとっても参考になる言葉の数々が散りばめられていました(写真:AP/アフロ)

7月19日17時、フィギュアスケートの羽生結弦選手が都内で記者会見を開き、競技会への出場を終え、プロスケーターに転身することを表明。その会見は、日本テレビ系、テレビ朝日系、TBS系が情報番組の中で生中継したほか、NHKもサブチャンネルを使って生放送しました。いちアスリートの会見としては異例中の異例と言っていい扱いでしょう。

それはもちろん羽生選手が偉大な存在だからなのですが、凄いのは競技の技術だけではありません。これまで羽生選手の主要会見はほぼ見てきましたし、何度かコラムにまとめてきましたが、まさに名言の宝庫でした。

では、今回の会見はどうだったのか。大きな決断のタイミングだからこそ、ビジネスパーソンにとって参考になる言葉の数々が散りばめられていたのです。

まず羽生選手は会見そのものについて「本当にありがとうございます」と感謝の意を表したあと、「最初にもう1つだけ感謝を述べさせていただきます」と続けました。

「先の一部報道(プロ転向のフライング報道)であった通り、いろいろなことを言われてしまいましたが、その中でも自分のこと、そしてここまで応援してくださっているファンの方々を含め、いろいろなことを考えながら、お気持ちを大切にしていただきながら、自分が決意を表明することを常にメディアで発信してくださった方々に深く深く御礼をさせてください。本当にありがとうございました。みなさんの応援の力の中で、羽生結弦としてフィギュアスケートをまっとうできるのが本当に幸せです」と一気に語ったのです。

あえて子どもっぽいフレーズを連呼

羽生選手がわざわざ「最初にもう1つだけ」と挙げて伝えたかったのは、自分をサポートしてくれたファンやメディアへの感謝。「一部報道」に対する不本意さを隠そうとしなかったところに、「自分の口から真っ先に感謝を伝えたかった」という熱い思いがにじみ出ていました。また、その上で最後に「本当に幸せ」と全力で感情を伝えるところに表現者らしさを感じさせられます。

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【大物らしからぬ振る舞い】

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