あの「レブロン」を破綻に追い込んだ3つの変化 消費者ブランドはサプライチェーン混乱に弱い
同社は38億ドルの負債と5700人の従業員を抱え、しばらくの間、苦境に立たされていた。2020年には収益性の改善を期待して1000人相当のポジションを削減すると発表。その年の後半、同社は債権者との取り決めにより、破産申し立てを辛うじて免れた。
レブロンの破綻は消費者ブランドにさらなる困難が続くことを示す前触れかもしれないと、破産アドバイザーは語る。高インフレ、金利の上昇、景気後退の兆しにより、買い物客は財布を開くことにますます慎重になっている。
S&Pグローバルレーティングスによると、アメリカでは今年、債務不履行の数が1年前よりも40%低かった。しかし、同機関は、アメリカにおけるディストレスト証券の割合が急速に増加していると警告した。
1980年代の広告キャンペーンで大躍進
レブロンは1930年代初頭に、チャールズとジョゼフのレブソン兄弟とチャールズ・ラッチマンにより設立され、新しいマニキュアを販売。そして同社はエスティローダーに次ぐアメリカで2番目に大きな会社になるまで成長した。
チャールズ・レブソンは、よく合う赤いリップとネイルの魅力を売り込むことで女性客にアピールしたことで有名だ。会社の好況期は1980年代に、“Most Unforgettable Women in the World”キャンペーンと共に訪れた。有名な写真家リチャード・アヴェドンが撮影し、その時代のスーパーモデルであるクロフォード、クラウディア・シファー、イマン、クリスティー・ターリントンなど、多数が登場した。
1985年、レブロンはロナルド・ペレルマンによって27億ドルで買収された。ペレルマンは、自身が経営する小型スーパーマーケットチェーンのパントリープライドを使って、買収を画策したのである。ジャンクボンドを担保にしたこの買収が、敵対的買収の波が押し寄せるきっかけとなったと言われている。