有酸素運動なら「走るより固定式バイクが○」な訳 最低限抑えておきたいプログラムはこれだ!

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体重が重い人、すでにひざや足首などになんらかの疾患を抱えている人には水泳や水中ウォーキング、アクアビクス(水中でのエアロビクス)といった水中運動が向いています。

水中運動では水から受ける浮力によって、下半身の関節や骨にかかる負担が大幅に軽減するからです。水の抵抗がかかるので、上半身を含めて全身の筋肉も鍛えられる、というメリットもあります。

さらに水中運動は転倒や接触のリスクも少ないのでケガをしにくく、真夏でも体温が上がりにくいので、熱中症の心配もほとんどなく、安全性にも優れています。

水泳の場合は「泳ぐ技術」が必要ですが、水中ウォーキングやアクアビクスなら特別な技術が必要なく、誰でも容易に行うことができます。アクアビクスの動作は陸上のスタジオダンスよりもシンプルかつ、他者から動きが見えにくいため、ダンスが苦手な方でも抵抗なく参加しやすいプログラムです。

水中運動のデメリットは肩周辺が疲労しやすいことですが、陸上の有酸素運動と交互に行うことで、このリスクを回避することができます。また、水中運動では骨量が増えないので、この意味でも陸上の有酸素運動と併用することをおすすめします。

飽きっぽい人の有酸素運動は?

有酸素運動はシンプルな動きなので、人によっては飽きを感じる場合があります。そういった方へのおすすめは、エアロビックダンスなどのスタジオエクササイズです。

脚や腕の単純な反復動作をくり返すほかの有酸素運動とは異なり、リズムに乗って踊ったり、パンチやキックをする楽しさ、新しい動きを学ぶ楽しさ、またたくさんの人と一緒に動くことで得られる楽しさもあります。インストラクター(先生)が声をかけながら動きを誘導してくれたり、盛り上げてくれことで、モチベーションを高めてくれるのもメリットです。

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スタジオエクササイズの参加者から新しいコミュニティーが生まれることもありますし、友人関係が築かれることもあります。これはジムエリアで有酸素運動をしていてはまず起こりえないことです。

また踊りながらバランス能力や敏捷性も鍛えられますし、ストレッチや筋力トレーニングの要素もありますので、持久力をメインに、体力が総合的に鍛えられます。

半面、踊ることが苦手、たくさんの人と一緒に動きたくない、ジムで新しい人間関係を築きたくないといった人はスタジオレッスンそのものが苦痛になりますから、選択肢から外したほうがよいでしょう。

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坂詰 真二 スポーツ&サイエンス代表、フィジカルトレーナー

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さかづめ しんじ / Shinji Sakazume

フィジカルトレーナー、NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。横浜市立大学文理学部卒。株式会社ピープル(現コナミスポーツ)にてディレクター、教育担当を歴任後、株式会社スポーツプログラムスで各種アスリートのコンディショニング指導を担当する。1996年に独立後、パーソナル指導、トレーナーの育成とともに、書籍、雑誌、TVなど各メディアで健康情報の提供を行う。8万部超えの「やってはいけない筋トレ」(青春出版社)、22万部超えの「世界一やせるスクワット」(日本文芸社)ほか著書多数。公式youtubeチャンネルはhttps://www.youtube.com/@shin.training-channel

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