最近日本でも敵対的買収が起こるようになった。欧米では1980年代から多数の事案が発生した結果、敵対的買収とこれに対抗する防衛策の両方に一定のルールが確立している。日本ではこれがまだはっきりしていない。
日本で敵対的買収というと、買い集めた株を対象会社などに高値で引き取らせて短期的利益を狙うイメージがある。だが、欧米ではこうした行為はグリーンメーラーと呼ばれて別扱いされる。本当の敵対的買収は、自分が経営すればもっと価値を上げることができると思う会社を現経営陣の反対を押し切って買収しようとする行為だ。
非効率な経営を続けていると、敵対的買収者に買収されて現経営陣は解雇されてしまう。このため、敵対的買収の存在自体が大企業の経営者に一定の規律を生み出す効果を持つ。加えて通常、敵対的買収では発行済み株式をすべてかなり高いプレミアムを支払って買い取るので、株主にとっても高値で投資を回収するチャンスとなる。
ところが、いまだに日本では敵対的買収に対して現経営陣だけでなく、従業員や取引先にもネガティブなイメージが強い。そのため、本気で日本企業を敵対的にでも買いたいという真剣な買収者がいたとしても、日本市場での自分のイメージダウンを恐れて買収提案に二の足を踏むケースが少なくない。
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