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科学者と同じように、経営者にも自由を 企業にイノベーションを望むなら

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本年のノーベル物理学賞の受賞が決まった真鍋淑郎氏は、会見で「後に大きな影響を与える大発見は、研究を始めたときにはその貢献の重要さに誰も気づかないものだ」と話された。歴代の受賞者も、すぐに役立つかわからない研究の大切さを語っている。

未来は誰にも正確に予測できない。だからこそ、現在の常識にとらわれずに自由な発想で取り組むことが必要だ──科学者についてなら、一般の方々も同意するのではないか。

一方、経営者の自由な挑戦に対して、日本社会は厳しいように感じる。その時点では儲かるかどうかわからない分野や、既存ビジネスと懸け離れた新しい事業への投資に対して、風当たりは強い。それでいて、革新的な事業や製品を生み出せと経営者は要求される。できなければ、経営者の手腕に問題がある、とたたかれる。

しかし、日本企業にノーベル賞級のイノベーションを望むなら、経営者にも自由な挑戦を許容、いや奨励すべきではないか。ガチガチのガバナンスで、確実なリターンにつながることを事前に説明しろと言われたら、新規ビジネスで大きな成功など得られない。

運送業から金融業へ

われわれにもなじみのあるアメリカン・エキスプレスは創業171年の老舗企業だ。同社はゴールドラッシュの時代に社名のとおり運送会社として設立された。そのまま運送事業だけをやっていれば、現在の姿ではなかったはずだ。

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