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鉄道、バスにコロナの急難 乗客急減で存続の危機

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  • 安井 明彦 みずほ総合研究所調査部シニアプリンシパル
公共交通機関の利用者の4割弱が、新型コロナ禍での暮らしを支えたエッセンシャルワーカーとの試算も(Stephanie Keith/The New York Times)

新型コロナ禍で減少した米国の公共交通機関の乗客数が、以前の水準に戻らない。バスや地下鉄などの乗客数は、2020年3月にコロナ禍前の約2割にまで急減した。その後は緩やかに回復してきたが、21年11月初めの時点でもコロナ禍前の6割弱にとどまっている。

公共交通機関にとっての脅威は、コロナ禍を経た利用者の行動様式の変化だ。今後もリモートワークが定着し続ければ、かつてほどの通勤客を期待するのは難しくなる。利用者が戻らなければ、公共交通機関は難しい経営判断を迫られる。連邦政府がコロナ対策の一環で行ってきた財政支援で急場をしのいできたが、いずれは大幅な路線の縮小や便数の削減に追い込まれかねない。

サービスの縮小は、乗客のさらなる減少を招く可能性がある。米国ではコロナ禍前の段階で、すでに公共交通機関の乗客数が減少傾向にあった。例えば08年のリーマンショックでも、経営難のために削減したバスの運行本数が戻らず、利用者離れを招いたという。公共交通機関にとっては、繰り返したくない前例だ。こうした中で、公共交通機関はさまざまな取り組みで乗客離れを防ごうとしている。

運賃の引き下げで乗客を取り戻そうとするのは、シカゴの公共交通機関だ。乗り放題チケットの料金を大幅に引き下げた。デトロイトの路面電車であるQラインも、年内に限って運賃を無料とする方針だ。同様の運賃引き下げは、サンフランシスコやラスベガス、クリーブランド(オハイオ州)などでも見られる。連邦政府の支援があるうちに、とにかく乗客を呼び戻そうというわけだ。

公共交通機関の無料化に踏み切るところもある。カンザスシティー(ミズーリ州)は、コロナ禍で始めた公共交通機関の無料化を来年も続ける方針だ。カンザスシティーでは、公共交通機関の利用者の7割強を低所得者や白人以外の住民が占める。バスや路面電車に頼る住民を支えるために、自治体による負担増などで無料化による収入減を補う。

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