ドル円相場はもともといくらから始まったかと聞かれたら1ドル=360円と答える人が多いだろう。しかし、実際は1ドル=1円から始まった。
「円」は今からちょうど150年前の1871年に日本の貨幣単位として採用された。そのときの1円金貨は当時の1米ドル金貨とほぼ同じ量の金で造られたため、1ドル=1円だった。その後、西南戦争、関東大震災、世界大恐慌後の日本銀行による国債引き受けなどもあって、第2次世界大戦が勃発した1939年には1ドル=4円台まで円安が進んでいた。つまり、82年前までのドル円相場は1桁だった。
米国と戦争している間、ドル円相場はなくなったが、45年に戦争が終結すると、軍用交換相場において1ドル=15円と設定された。戦時中は日本が戦費調達のために野放図に紙幣を刷り、その結果、日本のほうがインフレ率は高かったのだろう。日本は終戦後も復興のために紙幣を刷ったので、数年間は100%前後のハイパーインフレに悩まされた。ドル円の軍用交換相場は47年には1ドル=50円、翌年には270円に引き上げられた。インフレ率は日本のほうが米国より高い状態が続いたため、円安ドル高方向に調整されていったのだ。
49年に、一般に使用されるためのドル円相場を米国軍司令部が発表、それが1ドル=360円だった。つまり、ドル円相場はたった10年で4円台から360円への急激な円安となった。
それから22年間、ブレトンウッズ体制と呼ばれる時代の中でドル円相場は1ドル=360円の水準を維持した。しかし、今から50年前の71年にニクソン米大統領がドルと金の交換を停止し、ドル円相場はドル安円高方向に急速に動き始めた。
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