世界各地で住宅価格の異例な高騰が続いている。新型コロナウイルス問題がその背景にあることは疑いがない。
コロナ対策で積極的な金融緩和が実施された影響である。低金利や資金の借り入れがしやすい環境は、個人の住宅購入を促す。また調達コストに比して投資の期待収益が高くなることも、借り入れを伴う形での住宅投資を増やす。
コロナ禍の下での巣ごもりの長期化やリモートワークの広がりによって、都市部で働く人が郊外に広い居住スペースを求めるようになったことも影響している。さらに、急速な需要回復を受けた供給不足によって生じる住宅建設の人件費上昇や、木材、鉄、銅などの原材料の価格上昇が、住宅価格を押し上げている面もあるだろう。
OECD(経済協力開発機構)のデータによると、今年1〜3月期に住宅価格が下落した国は、40カ国中わずか3カ国しかなかった。その比率は、2000年に集計を始めて以来最も低い。そして先進国での住宅価格は、1〜3月期に前年同期比9.4%の上昇となった。リーマンショック(グローバル金融危機)前のピークのプラス7%台をすでに大きく上回り、三十年来の水準にまで達しているのである。
ニュージーランドの中央銀行は7月14日、新型コロナウイルスによる経済混乱を受けて導入した国債買い入れについて追加購入を停止すると発表した。住宅価格の高騰がその決定の理由の1つである。ノルウェー中央銀行も住宅価格の高騰に警戒を強めており、9月にも金融政策の正常化策を打ち出すとの見方が強まっている。一方、FRB(米連邦準備制度理事会)内では、住宅価格の高騰を警戒してMBS(住宅ローン担保証券)の買い入れ減額を先行的に実施すべきだとの、2段階テーパリング(資産買い入れ減額)の意見が出ている。それ以外にも、BOE(イングランド銀行)や韓国銀行など、住宅価格の高騰に警戒を強める中央銀行が急速に増えている。
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