世界中で異常気象による災害が後を絶たない。日本でも豪雨による土石流が発生し、北米やロシア、地中海地域では熱波により広範囲で森林火災や干ばつが起きている。
先月発表の国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の評価報告書は、これらの事象、とくに熱波と豪雨は相互に関連し人間の活動による地球温暖化がその原因であると結論づけている。集中豪雨も以前より3割も高い頻度で起きており、もし気温が今から摂氏2度上昇すれば頻度は7割高まるそうだ。地球の気候は安定期から不安定期に入り、異常気象は発生頻度のみならず激しさも増している。
1990年が初版の同報告書は今回で6回目だが、新たな調査結果が報告されている。2019年時点の大気中の二酸化炭素濃度は過去200万年で最高値にあり、半世紀の気温上昇速度は過去20世紀間で最高で世界中で氷河が溶解し始めている。これらの事象は1850〜1900年と比較して摂氏1.1度の気温上昇下で起きている。
パリ協定の自主的目標をすべて達成できても今世紀末の気温上昇ペースは摂氏3度、事態は深刻である。報告書は排出量の削減次第で世紀末の気温上昇は1850〜1900年比1.3〜5.7度になると予測する。そうなると海面は45〜105センチメートル上昇し、最悪の場合は210センチメートルもありうるとする。
では実際に排出量の削減はどうなっているのか。英国の環境シンクタンクの直近の分析では、燃料転換が計画どおりに進んではいない厳しい実態が示される。非化石発電が着実に増加してはいるがそのペースは遅く、コロナ禍からの経済回復による電力消費の増加分の半分近くが化石燃料で賄われている。
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