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『早く絶版になってほしい #駄言辞典』 滅びるべき駄言の存在は社会の成長の証でもある

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  • 堀内 勉 多摩大学社会的投資研究所教授・副所長、HONZ
早く絶版になってほしい #駄言辞典(日経xwoman 編/日経BP/1540円/312ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
[Profile] にっけいくろすうーまん 20〜30代向けの「doors」、子育て世代向けの「DUAL」、40〜50代向けの「ARIA」で構成されるウェブメディア。時事テーマや社会課題、企業、健康・美容、マネーに関する情報を発信している。

とてもユニークな本だ。出版社の宣伝文句には、「心を打つ『名言』があるように、心をくじく『駄言(だげん)』もあります。これは、そんな滅びるべき駄言を集めた辞典です」とある。

日本経済新聞社と日経BPは、「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト」に共同で取り組んでいる。これは日本社会の多様性を阻むステレオタイプの撲滅を目指すプロジェクトで、本書はその一環として展開される「NIKKEI UNSTEREOTYPE ACTION」の1つとして生まれたものだそうだ。

ページをめくると、いかにもありそうな駄言のオンパレード。いくつかを紹介しよう。「女性ならではの感性」「美人すぎる○○」「リケジョ」「女子力」「うちの嫁」「女性ならではの視点」「素敵なキッチン!奥さまが喜びそうですね」「家事、手伝うよ」「男なのに育休取るの?」「子煩悩な父親」「イクメン」「甲斐性」などだ。

これらの中でも、夫が妻に言う駄言のキング・オブ・キングスは、「家事、手伝うよ」だろう。家庭の一員としての当事者意識の低さを、これほど的確に表現したフレーズは、なかなか見つからない。

評者が最も違和感を持っているのが、男性が自分の妻のことを指して使う「うちの嫁」という表現だ。「息子の妻」を意味するはずだが、いつから「自分の妻」の意味で使われるようになったのだろうか。

関連して、「主人」や「家内」といった配偶者の呼び方も難しい。ビジネスシーンでは、やむを得ず「ご主人」「奥さま」と言ってしまうが、なにか違和感がある。まるで主人と家来のようだからだ。

また、現在は結婚後も旧姓を使って働いている人が多い。困るのが、そうした人を含むカップルと話すときだ。

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