2021年の1〜3月期決算が出そろった。日経平均株価構成銘柄の経常利益は前年同期比4.8倍、巨額利益を計上したソフトバンクグループおよび金融セクターを除くベースでの増益率も2.3倍であり、安定した収益動向にあることが確認されたばかりだ。
しかし、コロナ禍を乗り切ったのもつかの間、すでに、息つく局面にはない。
先日、ホンダが燃料電池車(FCV)の生産を年内に停止すると発表した。これまでにかかったFCVの研究費用等を考えると、大きなサンクコストであり、日本車の競争力の地盤沈下につながりかねない。開発した技術がムダになることはないにせよ、競合激化の中では痛手であろう。
しかも、これは一例にすぎない。日本の当局は気候変動への対応は急務だと言いながら具体的なロードマップを示さないため、企業は乗り遅れでコスト負担が生じ国際競争力をそがれている。海外では気候変動リスクは各セクターにおけるゲームチェンジャーで、展開は急である。
政府・中銀の積極関与
第1に事業会社に開示を促す気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のルールはこれまで任意であったが、欧州を中心に義務化が始まっている。フランスはエネルギー移行法によってこれを推進。英国は21年1月に義務化を開始した。中国も検討しており、米国は開示義務に関わる権限をSEC(証券取引委員会)に付与することを決定した。
第2に、欧州では投資運用会社に対しSFDR(持続可能な金融開示規制)を適用した。自らの投資判断がサステナビリティに及ぼす悪影響やそうした投資のデューデリジェンスに関する声明などの公表を義務づけるものだ。これが守れなければESG(環境・社会・企業統治)ファンドとしてマーケティングも行えない。情報が公になるため、つねに説明を求められる。ひるがえって、運用会社が投資する企業に対し情報開示をより強く求める動きにつながっていくことは容易に予想できる。
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