東京都渋谷区恵比寿といえば、リクルート住まいカンパニーが調査・発表した「住みたい街ランキング2021関東版」で横浜に次ぎ2位になった街だ。同ランキング12年版では13位だったが、その後は1位1回(16年)、2位が8回。他社が実施する同様の調査でもしばしば上位にランクインする「人気の街」なのだ。
恵比寿という町域はJR恵比寿駅の東側に1〜4丁目まであり、それに駅西口側の恵比寿西、恵比寿南を加えたのが、恵比寿としてイメージされるエリアだろう。
恵比寿は明治期の1887年に日本麦酒醸造会社(現サッポロビール)がビール製造工場用地として取得、90年からヱビスビールの製造販売を始める。ビール出荷のための貨物駅だった恵比寿荷扱停車場は、1906年に旅客営業を開始し恵比寿駅となった。
現在の恵比寿駅はJR山手線と東京メトロ日比谷線が交わるだけで、交通の便を第一に考えるなら支持される理由はあまり見当たらない。では、なぜ恵比寿はここまでの人気を得たのだろうか。
ガーデンプレイスで変化
ビール工場があるだけだった頃の恵比寿駅は、山手線の中でも大崎駅などと並んで乗降客が少なく、どちらかといえばひなびた駅だった。この印象を大きく変えたのが94年8月にオープンした恵比寿ガーデンプレイスである。工場は千葉県船橋市に移転し、残った敷地約8万3000平方メートル(約2万5200坪)を、オフィス、商業施設、百貨店、ホテル、マンション、美術館などとした。今ではこうしたコンプレックス型開発はどこの街でも行われているが、当時としては斬新なアイデアだった。
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