埼玉県八潮市は県南東部にある人口約9万2000人の街だ。市域の三方を河川で囲まれ、東側は中川を挟んで埼玉県三郷市と、南側は垳川(がけがわ)、綾瀬川を挟んで東京都足立区および葛飾区と、西側は綾瀬川を挟んで埼玉県草加市と接する。東西5.23キロメートル、南北7.45キロメートル、北に行くと東西の幅は約1000メートル程度になる。
東京都心部からは15キロメートル圏と、吉祥寺、桜新町、田園調布、千葉の新浦安、松戸、埼玉の川口近辺と同程度の距離だ。都心に近い割に知名度が低かったが、2005年につくばエクスプレスが開業。市の東南部に「八潮」駅が設置され、秋葉原まで最短17分という好条件により人口の増加が始まった。駅周辺にはマンションが林立。大型の商業施設も誕生した。
八潮市は中川低地に位置し、海抜は2メートル程度、土地の高低差はほとんどない。河川のほか八条用水路や葛西用水路などもあり、暗渠(あんきょ)を含めて水路の多い「水の街」である。歴史的にも水運と、豊富な水を利用した農業が盛んだった。規模は小さいが現在も近郊農業が行われ、小松菜、枝豆、ネギ、ホウレンソウなどが生産されている。
街には多くの中小町工場がひしめき、金属加工業や化学、食品、印刷、繊維など業種は多岐にわたる。市も「ものづくり」を八潮の重要な特色と位置づけている。八潮市市民活力推進部ではものづくりにこだわる市内の企業51社をYASHIO COMPANY COLLECTION 51として取り上げ、事業の情報発信の手助けや企業間マッチングなどを行っている。
街中には緑が少なく、自然環境の豊かな印象は持てないが、中川河川敷に目を向ければ豊かな水と植生に気づく。中川やしおフラワーパークでは毎年3月に「花桃まつり」が開催されるなど四季折々の花が楽しめる。綾瀬川放水路八条さくら堤、八条ふれあい緑道、中川遊歩道など散策道も多い。葛西用水路では自然や水生植物の生育に配慮した親水護岸整備が行われ、東京葛西用水どんぐり遊歩道として市民に親しまれている。
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