バイデン大統領は3月31日、東部ペンシルベニア州ピッツバーグで演説し、「米国雇用計画」を発表した。今後8年で総額2兆3000億ドルを投じる壮大な成長戦略だ。同計画には「高速ブロードバンドの拡充」が盛り込まれるなど、次世代移動通信システム「5G」のインフラ整備は緒に就いたばかりだ。だが、米政府の関心はすでにその次の「6G」に移りつつある。
5Gの基地局市場では中国の華為技術(ファーウェイ)および欧州、韓国の企業が先行し、支配的な地位を築こうとしている。米国は5Gの競争で犯したような過ちを、6Gといった次世代技術の開発競争では何としても回避したい考えだ。
ネットワークの安全と国家としての競争力を確保するべく、米日は協力して攻勢に出る──。米日の政府関係者と産業界による最近の対話から浮かび上がったのは、このようなスタンスだ。2月と3月に米カーネギー国際平和財団が主催した通信戦略に関するセミナーで、米国家安全保障会議(NSC)の国際経済・競争力部局の代表者などが「6Gと米国の方向性」について見解を示した。5G後に向けた米国の戦略としてとくに重要なのは、他国との協力という。5Gでは中国に重要な技術開発を許したため、6Gでは米国陣営が先んじた技術開発に努める必要があると説く。
中でも重要なのが日本だ。米日は経済、外交、安全保障など多数の目標を共有しており、技術外交でも重層的な協力が可能だ。例えば次世代研究を支援し、透明性のある方法で技術標準を確立し、開かれたシステムを後押しする点で、方向性は一致する。信用の置けるネットワークの構築を、米日の協力の下で第三国に促していくことでも手を組める。
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