東京都昭島市は立川市西部に隣接する人口約11万3000人の街だ。市の北側には玉川上水が流れ、南側は多摩川に接する。中央部を東西に走るJR青梅線は、拝島駅でJR八高線、五日市線、西武鉄道拝島線と合流する。
交通の要は西の外れにある拝島駅だが、街の中心は昭島駅周辺だ。駅の南側には古くからの住宅地が広がるが、北側には駅前ロータリーがあり、整然とした街区に大型商業施設モリタウン、ホテル、オフィスビルが連なる。
街区を進むと、ケーズデンキ、カインズといった大型物販店や昭和の森テニスセンター、ホテルオークラ系列のシティーホテル「フォレスト・イン昭和館」などがある。玉川上水沿いにはゴルフ場まで整備されている。この昭和の森ゴルフコースに隣接する400ヤードの打ちっぱなし練習場は、敷地の広さを生かし、両側に打席のある珍しい構造となっている。
なぜこのような街づくりが行われたのかについては、歴史を振り返らなくてはならない。広大な敷地を所有し、これらの施設を運営するのは昭和飛行機工業。1937年設立で、創業期には輸送用の飛行機を製造する事業を展開した。当時の日本は、軍用機の技術では高水準にあったが輸送機では後れを取っていた。そこで、DC3(零式輸送機)のライセンス生産を行うため、当時の昭和村と拝島村(現昭島市)、砂川村(現立川市)にまたがる飛行場併設の航空機製造工場を建設したのだ。隣の立川市で立川飛行機(現立飛ホールディングス)が帝国陸軍の練習機を製造したように、昭和飛行機工業は今の昭島の地に滑走路を持ち、輸送機の開発生産を行った。
この記事は有料会員限定です
残り 678文字
