東大阪市は大阪府東部、中河内地域にある人口約49万2000人の中核市だ。街の東西を阪神高速13号東大阪線、南北を近畿自動車道天理吹田線が走り、東大阪ジャンクションで交差する。阪神高速の地下を近鉄けいはんな線、その少し南を近鉄奈良線が東西に走り抜け、街の西側をJRおおさか東線が南北に突き抜ける。
幹線道路と鉄道が充実している印象だが、どこの街にもあるような中心市街地が見当たらない。強いて挙げるなら、大阪市との境目、近鉄大阪線と奈良線が交わる「布施」駅付近だが、近鉄百貨店があるくらいで日中も人通りはまばらだ。東大阪は人が集まる場所のない不思議な街なのである。
理由は街の成り立ちにある。この地域は土砂により陸地となったが、古代には河内湾といわれる海だった。もともと湿地帯で洪水などが頻繁に発生したため、居住が難しかったのだ。しかし現在、この街は多くの中小企業が集結する町工場の街として日本全国にその名をとどろかせている。
東大阪市は、2016年の経済センサス-活動調査による全国主要都市事業所数で5954カ所、大阪、名古屋、京都、横浜に次いで第5位となった。また、可住地面積1平方キロメートル当たりの事業所数では115.2カ所で全国1位だった。
町工場の集積地であるため、「中心」がなくとも街は機能する。また、多くの町工場は大企業の系列ではない。専門分野に特化した高度な技術を売りに、町工場同士のネットワークを駆使して、歯ブラシから航空機用の超高度部品まで幅広く取り扱っている。
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