クレジット市場はこれまで実に堅調に推移してきた。国債などに対する上乗せスプレッドが抑制される状況にあり、安定してきたということである。なぜか。
理由は3つある。
第1に、金融政策と財政政策が盤石に配備されてきたことである。両政策に支えられて、金融資産市場が安定してきたわけだが、とりわけ、社債購入プログラムによるセーフティーネットが社債市場そのものを下支えしてきたこと、がある。
第2に、発行体から見て金利先高感がない状況の中、債券発行ニーズが抑制されていること、である。金融緩和で資金が供給されている割には発行量が限定的となっているため、社債市場では需給が改善している。
第3に、ファンダメンタルズの悪化に歯止めがかかっていること、である。世界中で施行された財政政策によりデフォルト率の上昇は抑制され、また、各社がレバレッジを抑制する行動に出た結果、ファンダメンタルズは想定対比で悪くならなかったと考えられる。足元の第3四半期の決算発表でも、前期の反動も含め収益の回復が見られる。以上から、クレジットリスクは抑え込まれ、安定した市場が形成されてきたのである。
しかし、表面上はセーフティーネットが存続しているとの解釈が続く一方で、社債市場へのセーフティーネットが徐々に弱まっていることに注目している。
中銀の危機感薄れる?
社債購入プログラムは、これまで、米国、欧州ともに2020年12月末までを期限として、それぞれ8500億ドル(資産担保証券含む)、1200億ユーロが用意されていた。しかし米国では、11月20日に、新型コロナウイルス対策として発動したファシリティーのうち社債の購入を含む4本(ほかに中小企業向け融資、資産担保証券への資金供給、州・地方債の購入)の打ち切りが決定された。
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