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政治・経済・投資 #マネー潮流

2021年の投資は長短のバランスがカギ 市場急騰で、2020年11月は株式ETFに8.5兆円流入

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  • 高井 裕之 国際ビジネスコンサルタント
たかい・ひろゆき 神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。英国ロンドンで、貴金属や銅・アルミなどの取引を担当。金融事業本部長、エネルギー本部長を経て、2013年住友商事グローバルリサーチ社長、18年同社ワシントン事務所長。20年7月から欧州エネルギー取引所グループ上席アドバイザーに転じる。(撮影:梅谷秀司)

今年ほど世界情勢が目まぐるしく変化しマネーの潮流が激変した年はない。筆者は今年前半には米ワシントンでロビー活動に従事し、後半には東京で電力エネルギー市場から世の中を観察してきた。今回はそんな筆者の目に映ったマネーの変化を分析・整理する。読者の今後の事業・投資戦略の一助になれば幸いである。

振り返ると、年初2月ごろまで米国は経済も株価も楽観の頂点にあった。現職のトランプ大統領の再選はほぼ確実視されていた。しかし3月に入って楽観ムードは一変する。それ以降の動きは読者もご存じのとおり。3月に急落したマーケットは11月には完全復活を果たしトランプ大統領はバイデン候補に敗北。市場分析にフォーカスすると、急落から急騰への原動力となったのは世界中で創出された金利のつかないコロナ緩和マネー以外の何物でもなかった。

とくに市場が急騰した11月だけで株式ETF(上場投資信託)に流入したマネーは世界中で8.5兆円に達し、年初からの流入額は20兆円の大台に乗った。ワクチン実用化、来年の景気持ち直しへの期待感、米国政治の不透明感の後退などの要因がリスクオンに作用した。

11月には新興国へのマネー流入も急増し8兆円が株や債券に向かった。MSCI新興国株価指数も月間で9%も上昇した。バイデン新政権でイエレン前FRB(米連邦準備制度理事会)議長が財務長官に指名されるとの思惑から、来年以降も米ドル安の継続が予想され、急増していた新興国のドル建て債務への不安感を後退させた。MSCI世界株価指数の上昇率は月間12%に達し、これは指数創設以来32年ぶりである。

グリーンサイクル開始

緩和マネーは商品市場にも流入している。低炭素時代への転換を目指すグリーンサイクルともいうべき、今後30年は続く強い追い風が吹いたことも重要である。地球環境に優しい電化を進めるうえで不可欠な非鉄金属の相場が上昇している。EV(電気自動車)には燃料車の6倍の銅が使用され、電池にはニッケルとコバルト、車体の軽量化にはアルミが欠かせない。また白金は触媒として燃料電池車には不可欠な素材だ。太陽光発電には銀も使用される。コロナショックで一時的に舞い上がった金が利食い売りに押され精彩を欠く中、貴金属では白金と銀の2商品が輝きを取り戻している。

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