日本銀行は11月10日に開かれた政策委員会・通常会合で、「地域金融強化のための特別当座預金制度」を導入する方針を決めた。日本銀行の政策全体に影響を与える、大きな決定と捉えるべきだ。
これは、地域経済の発展に貢献すること、経費率の低下などで示せる経営基盤の強化を実現すること、などの要件を満たす地域金融機関を対象に、当座預金残高に対して年0.1%の上乗せ金利をつけるもので、3年間の時限措置である。実際には、比較的緩い条件で制度利用が認められる可能性があり、この点から、地域金融機関への補助金との性格が相応にあることは否めない。
要件には経営統合などを通じた経営基盤の強化策も含まれる。これは、日本銀行に経営統合を後押しする狙いがあることを意味しており、踏み込んだものといえるだろう。
経営基盤の強化を通じて地域金融機関の経営が安定することは、金融システムの安定(信用秩序の維持)を使命の1つとする日本銀行自身の、歓迎するところである。それに加えて今回の措置は、新型コロナウイルス問題の下での地域経済の活性化と、地域金融機関の経営の安定を目指す政府の政策に寄り添ったものといえる。
コロナショックで打撃を受けた企業を助ける政府の特別貸出制度を側面から支援するために、日本銀行は銀行にマイナス金利で資金を貸す「特別オペ制度」をすでに導入している。今回の措置はその第2弾と位置づけることもでき、政府の金融機能強化策を側面から支援する狙いがある。地域経済の再生を重視し、また地域金融機関の再編を口にしている菅義偉首相への配慮も含まれているのではないか。
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