香港の混乱もあって、この機会に外国から金融人材を日本に呼び込み、日本のどこかの都市を世界の金融ハブにしようという議論が再び盛り上がっている。
こうした掛け声や試みは過去何度も聞かれたし行われてきた。しかし一向に実現せず、逆に日本の金融市場は地盤沈下を続けている。なぜだろうか。
海外の金融機関は日本に非常に興味を持っている。それは日本人が巨大な金融資産を保有しているからだ。
しかし、日本のどこかを国際金融都市化しようという話になると、必ず税率の議論になってしまう。もちろん税率は低いほうがよい。ただ、仮に税率をシンガポール並みに引き下げることができたとしても、それだけではアジアの金融拠点を日本にシフトさせるような決定打にはならないであろう。
問題は税率ではない
国際金融都市をつくるために、
まず、最初に必要なのは、日本に圧倒的な優位性がある資産規模を活用することだ。
例えば、ある海外のファンドマネジャーが自分は毎年5%のリターンを生み出せると自信を持っているとする。このファンドマネジャーが現在運用を任されている資産が100億円ならリターンは5億円となる。仮に税金のかからない国に住んでいるとすれば税引き後リターンも5億円になる。
一方、このファンドマネジャーが日本にやって来て1000億円の運用資産を任されればリターンは50億円になる。そして日本で50%の税金を取られても税引き後リターンは25億円になる。
つまり、現状のままならば、税引き後リターンは5億円だが、日本に来て大きな規模の資産運用を任されれば25億円になる。つまりファンドマネジャーにとって、自分の稼ぎを増やすために重要なのは、税率よりも運用できる資産の規模なのだ。
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