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保健所と政府の不思議な関係 『失敗の本質』も指摘する日本の典型的失敗パターン

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この国には不思議なことがたくさんある。

その1つが、首相がPCR検査を増やせと命令してもそれがなかなか実現されないことだ。PCR検査は感染症法に基づいて保健所などの行政機関が行うことになっていて、医療機関が勝手にやってはいけない。保健所は自治体ごとに独立していて厚生労働相の指揮命令系統にはないのである。

元をたどるとこうした事情らしい。この国の感染症対策は、コレラでも結核でも感染者を入院隔離することで蔓延を防止してきた。かつては風土病も多く、地域ごとの対応が合理的だった。その中心となってきたのが保健所である。

しかし、飛行機や新幹線を使って人が県境を越えて大量移動する時代となった。さらに海外から年間3000万人以上の外国人もやってくる。そこに感染力が強く、無症状者からも感染する新型コロナウイルスが出現した。

ところが、感染症対策では前述の経緯から全国規模の明確な指揮命令系統は存在しない。だから国と都道府県と市町村がお互いにけんかしたり譲り合ったりしている。

普通に考えたら新型コロナのような感染症の際には、国の権限を強化して自治体や保健所への指揮命令系統を確立すべきであろう。ついでに言えば、私権の制限に伴う損失補償の制度も作ったらよい。そのためには法律をいくつも改正しなければならないが、「木に竹を接ぐ」の今の対応を続けるよりはマシではないだろうか。

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