「今は中国と交渉したくない」。トランプ米大統領は、8月15日に予定されていた米中貿易交渉の検証会合をドタキャンした。米国が対中制裁を連発している中、2月に成立した「第1段階合意」による米国産品購入の約束を中国側が撤回するのを警戒したとみられる。だが同25日に早くも両国は閣僚級の電話会談を実施。水面下での駆け引きが活発なことをうかがわせた。
表面上、米中はお互いの体制を倒すのを目的とした「新冷戦」に突入したかのようだ。ポンぺオ米国務長官は7月23日の演説で中国の習近平国家主席を「全体主義者」と呼び、その価値観は米国など自由世界とは相いれないと批判。さらに「中国人と中国共産党とはまったく別」「われわれは中国人を助け、支援しなければならない」とした。「新冷戦」を正当化すると同時に、中国国民の共産党への不満を喚起する狙いだろう。
その期待感に冷や水を浴びせるような現地調査の結果を米ハーバード大学ケネディスクールが発表した。中国人の政府への信頼感は極めて高く、しかも年を追って上昇してきたというのだ。
2003年から16年までの間に中央、省(直轄市)、市・県、郷・鎮の4つのレベルの政府への民衆の満足度はいずれも上がっており、中央政府への満足度は16年には93.1%に達した。改善が最も顕著なのは郷・鎮レベルの地方政府への満足度で、03年には43.6%にすぎなかったが16年には70.2%に上昇した。
もちろん経済成長の鈍化や環境の悪化によって評価が逆転する可能性も指摘されている。そのうえで「社会的、経済的な課題によって共産党の統治が正統性を失っている証拠はほとんど見られない」と結論づけた。「ハーバードのお墨付き」に中国政府は大喜びだ。
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