集中豪雨による甚大な被害があった熊本県。その県都である熊本市は全国に20ある政令指定都市の1つで、九州では福岡市、北九州市に次ぐ73万8000人の人口を擁する。白川、坪井川、井芹川などが流れ、東部には水前寺成趣(じょうじゅ)園などがある。
熊本は江戸時代まで九州の中心だった。私塾を含む寺子屋の数は全国一を誇り、1887年には九州初の旧制高等学校・第五高等学校が開設。九州の最大防衛拠点として軍事的にも整備された。現在は発達した都市間の高速バス網に加え、JRも新幹線のほか、鹿児島本線で福岡方面、豊肥本線で大分方面につながる。市内を熊本電気鉄道が走り、身近な足としては熊本市電やバス網もある。
街の中心部は熊本駅から北東に2キロメートルほど離れている。市内最大の繁華街である下通商店街をはじめ、上通商店街、サンロード新市街などがにぎわうが、現代の熊本はとくに経済面において福岡の後塵を拝し、かつての面影はない。
新幹線で博多に人が流出
2011年3月に九州新幹線で博多から熊本、鹿児島までが結ばれた。博多から熊本までは時間にして約30分、拍子抜けするほどあっという間だ。そもそも熊本と博多はわずか110キロメートルほどしか離れていないのだ。博多まで開通していた山陽新幹線の延伸は熊本の悲願だったが、実際に開通するとストロー効果が生じ、買い物客などが博多に流出する事態に陥った。
これを食い止めようと、現在、市内は再開発ラッシュだ。バス交通の中心だった桜町バスターミナルは建物の老朽化もあり周辺地権者を含めた市街地再開発を実施。19年9月にはサクラマチ クマモトという延べ床面積16万2440平方メートルの複合ビルが完成した。1日当たり4300台が発着できるバスターミナルのほか、地上4階・149店舗のショッピングモール、2300人を収容できる熊本城ホール、バンケットホールやシネマコンプレックスが入る。また地上15階建てのホテル・住宅棟には、205室のホテルが開業し、159戸のマンションが分譲された。
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