日光市は栃木県の北西部にあり、人口8万1000人、面積1449.83平方キロメートル。関東地方では最大の面積を有する自治体だ。
「日光を見ずして結構と言うな」、これは市内にある日光東照宮の建物の美しさを褒める言葉で、同義の表現に「ナポリを見て死ね」がある。現在の日光市は2006年3月に、当時の今市市、(旧)日光市、藤原町、足尾町、栗山村が合併してできた街である。旧日光市は東照宮や輪王寺、日光二荒山神社の門前町として、旧今市市は日光街道と会津西街道の結節点にある宿場町として栄えた。旧藤原町域には鬼怒川温泉がある。足尾町はかつて鉱毒による公害問題が深刻化したが、現在は古河鉱業の貴賓館などが残る、わたらせ渓谷鉄道沿線の観光の街として新たな歩みを開始している。
歴史に加え、自然景観も見逃せない。秋の紅葉が見事な中禅寺湖や戦場ヶ原。壮観な流れを楽しめる華厳の滝。息をのむ美しさの龍王峡、鬼怒川のライン下りはスリル満点だ。さらに、数々の温泉も旅人の心をかき立てる。日光湯元温泉、鬼怒川温泉、川治温泉、湯西川温泉、奥鬼怒温泉は全国的にもよく知られた温泉だ。観光客を対象とした東武ワールドスクウェアや江戸ワンダーランド日光江戸村などの施設もある。
東京からの近さが悩み
あらゆる観光資源を持つ日光市だが、課題は多い。2018年の観光入込客数は1231万6000人を数えた。この年はJR東日本による「栃木デスティネーションキャンペーン」が行われた効果もあって2年連続で過去最高値をたたき出したものの、宿泊者数では330万7000人、前年を3.9%も下回る。街を訪ねてくる観光客に対する宿泊客の割合は2.7%にすぎない。インバウンド誘客も力不足で、17年の外国人宿泊者数は10万1000人、宿泊者に占める割合は2.9%だった。日光がいかに「日帰り客」の街であるかが如実に表れている。
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