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ライフ #人が集まる街 逃げる街

維新の志士を育てた三角州の街 萩市 [山口県]

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  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー

萩市は山口県の北部に位置する人口約4万6000人の街である。多くの日本人が思い浮かべるのは、明治維新に当たって偉人を輩出した土地柄だろう。萩は江戸時代、長州藩の城下町として栄える。幕末には長州藩士だった吉田松陰や高杉晋作、桂小五郎(木戸孝允)らが、松下村塾で将来の国家像について激論を交わし、やがて明治維新へと時代の階段を駆け上がっていく。

萩の中心部は三角州で、街を切り裂くように流れる阿武川は川島地区で2つに分かれ、松本川、橋本川と名称を変えて日本海に注ぐ。城下町はこの三角州地帯に、萩城は三角州の北西端、日本海に突き出す指月山(しづきやま)のふもとにあった。街全体の三方は山、残る一方は海に面し、まさに難攻不落の様相だ。

火山が造った萩三角州。北西端、指月山のふもとに萩城があった(photolibrary)

この街から望む日本海の景観は圧巻だ。沖には大島、櫃島(ひつしま)、肥島(ひしま)、羽島(はじま)、尾島(おしま)、相島(あいしま)の六島諸島と県最北端の見島(みしま)の計7島があり、このうち大島、櫃島、相島、見島は有人島である。最も遠方に浮かぶ見島では、見島牛が飼育されている。その肉は霜降りで高品質。外国種を交えていない希少な超高級和牛で、年に数頭しか出回らない。

釣り好きな人を驚かせるのが、北長門海岸国定公園の中心に位置し世界最小の火山と称される笠山のふもとにある明神池だ。池といっても溶岩塊と砂州でできた汽水湖で、海から多くの海水魚が回遊してくるため、ボラやマダイ、イナダ、イシダイなどが泳ぐ。磯の王者とも呼ばれ釣り上げるのが難しいイシダイが、観光客の投げるパンくずに飛びつく姿は見ものだ。

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