米国にコロナ禍が本格的に上陸してから約3カ月が過ぎた。最初は「風邪みたいなもので、そのうちに消えてなくなる」とうそぶいていたトランプ大統領だが、今では世界中の感染者と死亡者のほぼ3人に1人が米国人という最悪の公衆衛生危機に直面している。
史上最長の好景気であった経済もロックダウンで奈落の底に落ちた。今年第1四半期のGDP(国内総生産)はリーマン危機以来のマイナス成長で、総労働人口のほぼ4人に1人が失職するという大恐慌時代以来最悪の事態となっている。
コロナ上陸前には、トランプ大統領は自身の弾劾の危機を回避し未曾有の好景気と絶好調の株式市場に支えられて、迷走する民主党を尻目に再選への地歩を確実にしつつあった。だがコロナを挟んで政局は一変した。
5月末時点のリアル・クリア・ポリティクスによる世論調査の平均値では、トランプ大統領への不支持率は支持率を8ポイント上回り、秋の選挙ではバイデン候補に投票するとの回答が、トランプ大統領に投票するとの回答を10ポイントも上回る結果となった。
9.11米国同時多発テロの際に当時のブッシュ大統領への支持率が9割を超えたごとく、危機時には現職大統領への支持が上昇するのが普通だ。だがコロナ危機ではトランプ流の対応を評価する米国民は明らかに少数派である。
トランプは劣勢に
米国の大統領選は、どちらの候補がより多くの票を獲得したかを競う人気投票ではなく、州ごとの選挙人の獲得数を競う特殊な制度である。政治サイト270 to Winの直近の調査では、秋の大統領選でバイデン候補が獲得する確率が高い州の選挙人数は233人、トランプ大統領は204人との数字が出ている。したがって残る101人の選挙人がいる6州が勝敗を決める。
この記事は有料会員限定です
残り 821文字
