新型コロナウイルスが世界に拡散する中、日本のすぐ近くに「感染者なし」と豪語する国がある。北朝鮮のことだ。
豪語するに飽き足らず、3月に入って4回、短距離弾道ミサイルと思われる飛翔体を発射した。日本では、新型コロナウイルスの拡散で北朝鮮国内も動揺しており、体制引き締めの意味で発射したのだという指摘が出ている。
北朝鮮は1月下旬に国境を封鎖。2月に入り、内・外国人を問わず、外国からの帰国者を隔離する措置を執った。3月初頭、北朝鮮の労働新聞は「7000人の医学的監視対象者がいる」と報道。同27日には「国家非常防疫事業総括会議」が開催され、全国で約2280人の医学的監視対象者に対し、検診などを行っていると朝鮮中央放送が報道している。
この「医学的監視対象者」とは、外国から帰国した者や外国人と接触した者であり、感染者のことではない。しかし、中朝国境を挟んだ中国との貿易が盛んだった分、人の往来も多かったはずだ。最近では「感染症で100人が死亡した」という報道も出るなど、感染者の発生は疑われてきたが、北朝鮮自らそれを公表していない。
一方で、全国から数百人規模が平壌に集まる最高人民会議(国会)が4月10日に開催される。これは、新型コロナウイルスの封じ込めに一定の自信を持ったためではないかとの見方がある。封鎖していた国境を開放したという話も飛び交っている。
コロナ拡散は好機か
実は、新型コロナウイルスとミサイル発射は関連しているとは言い難い。北朝鮮の軍事行動は、中長期的な予定表が事前に作成されたうえで行われているためだ。
それは、外国から見逃された事実からもうかがえる。厳しい内外を自覚し「正面突破戦」による国政運営方針を発表した2019年12月末の朝鮮労働党中央委員会総会の直前、同中央軍事委員会第7期第3回拡大会議が開催されている。中央軍事委員会は党の最高軍事機関であり、北朝鮮人民軍の最高幹部らが一堂に集まる会議だ。
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