東芝が4月3日、東京証券取引所に対し、1部への指定申請を行った。3カ月から半年後には東証1部に復帰する見通しだ。
東芝は米国での原子力事業で1兆円以上の損失を計上し、2017年3月期に債務超過に転落。同年8月に2部降格となった。以来、1部復帰は東芝の念願だった。
財界総理も出した名門のプライドが傷つけられるのみならず、投資対象から外れることが多いため株価が上がりにくいという実害もある。まして、17年の増資によって海外の「物言うファンド」が数多く東芝の株主になっている。
本来であれば、22年まで昇格の望みはなかった。1部指定基準に「5年間の有価証券報告書に監査法人から『適正意見』を得ていること」があったからだ。が、東証は今年2月、この期間を2年に短縮した。
またも東芝を特別扱いするのか──そんな声が聞こえてきそうだ。
東芝は粉飾決算の発覚を受けて15年に東証の「特設注意市場銘柄(特注)」に指定された。内部管理体制の改善が見込めないと取引所に判断されれば上場廃止となる。東芝はこの審査期間に子会社の売り上げ過大計上が発覚。原子力事業に関する数千億円の損失計上リスクによって決算遅延を繰り返した。最終的に提出した四半期報告書に、監査法人は「結論の不表明」と記した(これが1部復帰の足かせだった)。それでも17年10月に指定を解除された。
今回の1部指定基準の緩和は、東証を傘下に持つ日本取引所グループが進める市場区分改革の議論の中で、整合性が取れない基準の見直し案として出てきたものだ。これまでもJASDAQやマザーズから1部へ行くならば求められる「適正」は2年。1部の企業が「適正」を得られなくても、それだけが理由で2部に落ちることはない。2部から1部の場合は、5年間という制約がかかった。
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