トランプ米大統領の再選戦略にとって、新型コロナウイルスの経済への悪影響は想定外の誤算になるかもしれない。これまでの大統領選挙では、景気が好調でありさえすれば、現職大統領の再選は保証されたようなものだった。
1860年までさかのぼっても、投票日前年の1月以降に景気後退を経験しなければ、現職大統領はつねに再選されてきた。対照的に景気後退に見舞われた場合には、約8割が再選に失敗している。
「あなたの暮らしは(前回の大統領選挙が行われた)4年前よりよくなりましたか?」というのは、1980年の大統領選挙で、レーガン氏の勝利を決めたといわれる有名な一言だ。
米ギャラップ社が今年1月に行った世論調査では、回答者の約6割が、「(トランプ大統領が就任した)3年前より暮らしがよくなった」と答えている。92年以降に現職大統領が再選を目指した年の調査では、最も高い評価である。
2012年にオバマ氏が再選を果たした際には、「3年前より暮らしがよくなった」という回答は40%台だった。こうした数字を見る限り、新型コロナウイルスの悪影響さえなければ、トランプ氏はオバマ氏より恵まれた環境で再選に挑めたようにみえる。
もっとも、今回の大統領選挙では、好景気にかつてほどの神通力を期待しにくい理由があった。大統領を支持しない有権者が、経済の好調さを認めようとしなかったのだ。
景況感は支持政党次第
2000年代に入ってからの米国では、大統領に反対する政党の支持者は、大統領が所属する政党の支持者より、景況感が悪くなりがちな傾向がある。とくにトランプ政権の下では、支持政党による景況感の乖離がこれまでにないほど広がっている。
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