テレビ番組で天才児が活躍する姿を目にした。頭に浮かんだのは、「20〜30年後の実社会で、彼らの才能がどれだけ生かされているか」という疑問だ。
一般に天才とは高いIQ(知能指数)を持つ人物を指す。IQの平均値が100。120を超えると秀才、140を超えると天才とされる。秀才の比率は2%以下、天才は0.4%以下だという。
しかし、高いIQを持った子どもが成人後に成功しているかというとそうではない。有名なのが米心理学者、ルイス・ターマンの調査だ。IQ140以上の児童1470人のうち、億万長者、政治家、ノーベル賞受賞者になった人物はゼロだった。ターマンはIQと社会的な成功は関係がないと結論づけている。この調査は1921年のもので、現在にも当てはまるかには疑問が残る。ただ、「二十歳すぎればただの人」という言葉があるのは、才能を称賛された人物が「案外成功していない」と一般的に考えられているからだろう。
カナダのジャーナリスト、マルコム・グラッドウェルは著書『天才!』で、社会的に成功するにはIQ以外に「誰に何を言うか、どのタイミングで言うか、どのように言えば最大の効果があるかを理解する能力」が必要と説く。つまり「コミュニケーション能力」だ。さらに「1万時間の努力」や「機会が与えられる環境」などが重要だとしている。筆者はとりわけ重要なのは「環境」だと考えている。
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