正月気分を吹き飛ばす米国とイランの報復合戦はひとまず「手打ち」となり、大荒れのマーケットも一段落といった雰囲気だ。だが、米中貿易戦争と同様、あくまで一時休戦であり、今後の展開は予断を許さない。
「イランには米施設での死者、損害の全責任がある。非常に大きな代償を払うことになる」。トランプ米大統領は元日早々にそうツイートし、対イラン攻撃を予告した。そして、ソレイマニ司令官殺害翌日の1月4日、「支持率50%、ありがとう」と書き、一部の保守系世論調査会社による大統領支持率の一時的な上昇を喜んだ。
だが8日、イランによる米軍駐留拠点爆撃を受け、世界は一段と緊迫。トランプ氏は「米国側の人的被害はない」とし、追加経済制裁への戦略転換を宣言したが、イラク戦争に次ぐ全面衝突の危機を招いた責任は重い。支持率は再び低下傾向にある。
今年11月の大統領選で再選を狙うトランプ氏は、選挙戦が本格化するにつれ、支持率伸び悩みが心配で仕方ないのだろう。各種世論調査の平均で見ると、これまで支持率は45%がほぼ上限で、50%を上回ったことがない。直近でも約44%で、不支持率の約53%を下回る。無党派層などへの支持基盤の広がりは見られない。
足元でトランプ氏を悩ませているのが、「ウクライナ疑惑」をめぐる議会の弾劾訴追だ。同氏は年初来10日間で100本近いツイートをしているが、うち約3割がイラン・中東関連で、弾劾訴追に対する批判もほぼ同数に及ぶ。上院で多数を占める共和党員の反対により、弾劾裁判で罷免される可能性はゼロに近い。それでも21年ぶり、史上3人目となる大統領の弾劾訴追だけに、選挙戦へのダメージは免れそうもない。
この記事は会員限定です
残り 705文字
