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炭素に課税し、税収を防災や被災者支援に 温暖化対策に有効な「カーボンプライシング」

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国土交通省によれば、2018年7月に西日本を襲った集中豪雨による水害被害額は約1兆1580億円に達した。単一の水害としては、統計を取り始めて以来、過去最大に当たるという。

19年9月に東日本に襲来した台風15号では強風によって千葉県を中心に1カ月近くに及ぶ停電が発生した。約1カ月後の台風19号では140カ所で河川堤防が決壊し、関東甲信越や東北地方で広範囲の浸水被害が生じた。

自然災害はなぜ激しさを増しているのだろうか。18年7月の豪雨について気象庁は、「地球温暖化に伴う水蒸気量の増加の寄与もあったと考えられる」と分析している。19年の台風15号や19号についても、地球温暖化との関係が専門家によって指摘されている。

地球温暖化の主たる原因として、二酸化炭素(CO2)やフロンなど温室効果ガスの増大が挙げられている。しかし、原因物質が特定されていながら、排出している主体がそれに見合ったコストを支払っているとはいいがたい。

北欧諸国のように、1トンのCO2排出に対して、5000~1万円以上の炭素税を課している国がある一方で、米国のように課税していない国もある。日本では12年に石油や石炭などの化石燃料を対象として「地球温暖化対策税」(温対税)が導入されたが、税水準は1トン当たり289円と低い。そのため、石炭のように燃焼時にCO2を大量に排出する燃料が強い価格競争力を持ち続けている。

自助努力だけでは限界

温暖化の原因物質を減らすうえで有効だと考えられているのが、炭素税や排出量取引などの「カーボンプライシング」(炭素への価格付け)と呼ばれる手法だ。

環境省の中央環境審議会は18年に「カーボンプライシングの活用に関する小委員会」を設置し、19年8月に「議論の中間的な整理」を取りまとめた。だが、現時点では、各界の利害関係者や有識者による賛成・反対の論点を整理したレベルにとどまっている。環境省では「今後、さらに議論を重ねていく」としている。

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