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「萩生田発言」で考える社会保障と国民統合 公平性が強く求められる教育と医療

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今年で最後となった大学入試センター試験に代わり、2021年から大学入学共通テストが始まる。英語では当初、民間試験が導入され、高3での2回までの試験結果が評価対象になる予定だったが、試験会場の少ない地方の受験者や、費用のかかる民間試験の複数回受験で不利となる低所得層から「不公平だ」と指摘された。これに対し、萩生田光一文部科学相は昨年10月、「身の丈に合わせて頑張ってほしい」と発言したため、抗議が殺到して謝罪と民間試験導入の撤回に追い込まれた。

このドタバタ劇を見て改めて思うのは、国民の公平性に対する感情は、いつの時代でも政治や社会を動かす源になるということだ。

もちろん、不公平といっても人々は生活のすべてでそれを拒否するわけではない。腕時計や高級自動車など、周囲の視線を意識して行う消費行動を、米国の経済学者ヴェブレンは「顕示的消費」と呼んだが、今や富裕層に限らず、一般の人も行うものだ。そうした消費に差があっても国民は許容する。

だが、人々には「ここだけはどうしても“消費”の公平性がないと許せない」と思う分野がある。その1つが冒頭の教育であり、また最大のものと思われるのが、医療だ。腕時計や自動車なら、「身の丈に合わせて購入して」と言われても仕方ないなと思うだろうが、自分や子どもの教育で機会の平等が守られていなかったり、重篤な病気でも富裕層は先端治療を受けて助かるが、低所得者は医療を受けることさえできなかったりすれば、国民は怒りの声を上げる。

現在の社会保障制度により提供されているのは、所得に関係なく「必要に応じて誰でも利用できる医療」だ。公的医療保険により、所得水準に比例した保険料や自己負担額の上限が決められ、誰でも同じ医療が受けられる。

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