交通事故や交通違反、さらには窃盗やスリなどの犯罪が中国で激減している。全土に張り巡らされた監視カメラ網、顔認識システムによる本人特定などのハイテク機器導入によるところが大きい。中国は現実に「安全でマナーのよい国」に向かおうとしている。
先頃、中国のSNSに投稿された短い動画が話題を呼んだ。南京市で足の悪い老人が交差点を渡ろうとして、途中で歩行者用信号が赤に変わってしまった。しかし、停止していた3台の車は走り出そうとせず、老人が渡り終えるのを見届けて、やっと動き出した──。同市の警察はこの3人の運転者を探し出し、大々的に表彰した。
私自身の実感でも、中国の、とくに都市部の運転マナーは最近、急速に向上している。すばらしいことだが、そこにはワケがある。南京市は2018年10月から市内各所の交差点に歩行者保護を徹底するための監視カメラを設置、歩行者の横断を遮ったり、危険を感じさせたりする運転を感知し、自動的に撮影して違反通知と罰金の納付命令を下す仕組みを稼働させている。
これは市民に広く周知されており、歩行者がいたら車は止まらざるをえない。同様の仕組みは上海など他都市にも次々と導入されている。
厳しい監視は歩行者に対しても同じだ。赤信号を無視して横断する歩行者を感知すると、同様に撮影して顔認識で身元を割り出し、ショートメールで本人に告知する。歩行者の罰金は20元(1元=約15円)程度と軽いものだが、一定期間内に納付しないと、近所のバス停などに設置されたモニターに顔写真と違反状況が表示され、「さらし者」にされてしまう。
このシステムの導入以来、南京市内の「雨花南路国税局」前の横断歩道では、違反の検知件数が導入当初の1日平均81件から9件に、「八一医院」前は65件から18件に、「石獅子路地鉄口」前は55件から4件に、それぞれ激減した。
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