11月26日、中国で電子商取引最大手のアリババ集団は香港証券取引所に株式を上場した。アリババは新株5億株の発行で110億米ドルを調達し、時価総額は5090億ドルでアジア最大となった。長期にわたる反政府デモで香港の金融センターの地位が揺らぐ中、アリババの大型株式上場は、短期的に香港市場の安定へ寄与すると同時に、長期的には対米金融戦への布石ともみられる。
実は、今回はアリババにとって2度目の香港上場だ。2007年に同社のBtoB業務のみをアリババドットコムとして上場したものの、株価低迷などにより12年に上場廃止した。
その後にグループ全体での再上場を検討したが、香港証券取引所はアリババが発行する複数議決権株を認めなかったため、米ニューヨーク市場への上場に切り替えた。今回の上場はニューヨーク市場との重複上場となる。つまり、アリババの米国株と香港株は、一定の規則に基づき相互交換が可能だ。
アリババを呼び戻すために香港証券取引所は、アリババ上場のネックとなった規定を見直した。新しい上場規則の下で、中国のIT大手の小米科技と生活プラットフォーム運営大手の美団点評の2つのユニコーン企業を無事に上場させ、アリババの香港市場回帰の環境を整えたのである。
今年4月から始まった香港の反政府デモは、6月の逃亡犯条例改正案により過激化し、香港市場の混乱が長引く中、8月に実現するとみられていたアリババの上場はいったん中止された。
一方、米国では同国の金融市場から中国企業を排除し、さらに、米国資本による中国企業への投資を規制しようという動きが高まっている。米中間の貿易戦は金融分野にも飛び火しそうな雲行きで、来るべき対米金融戦に備えるためにアリババの香港上場がにわかに実現することとなった。
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