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深刻化する中国の人権問題「経済重視」で見過ごせるか 強圧的な姿勢の目立つ中国政府

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  • 梶谷 懐 神戸大学大学院教授
「覆面禁止法」は香港基本法に違反するとした香港高裁の判断を、中国側は一蹴した(AP/アフロ)

米中が対立を続ける中で、日中は政府間の良好な関係が持続している。関係改善を反映して日本企業の対中投資も好調であり、2018年には新規件数が対前年比約40%増の828件、投資実行額は前年比約17%増の38.1億ドルと、大きく増えた。

20年4月には習近平国家主席の国賓としての来日が決まっている。第三国における日中経済協力の枠組みの強化をはじめ、互いに自由で公正な貿易体制を発展させていくと確認されたこともあり、経済界には基本的に良好な経済関係を歓迎するムードが強い。

一方、中国問題に関する研究者の間では、現在の日中関係および中国政府の姿勢に対する厳しい見方が広がっている。その背景には、このところ中国政府に、人権問題で国際社会の批判を浴びるような強圧的な姿勢の目立つことがある。東京大学教授の川島真氏は、習政権が学問の自由や言論、思想信条の自由を含む西側の価値観について明確に批判しており、西側諸国との間に従前以上の大きな溝ができつつある、と指摘している。

邦人研究者の長期拘束

その象徴が、北海道大学法学部教授の岩谷將(のぶ)氏が今年9月に北京を訪問してから長期拘束された問題である。幸いなことに、数多くの中国研究者が声を上げたこともあり岩谷氏は拘束を解かれ帰国した。しかし、その後同氏は招聘先の用意したホテルで捜査を受けて拘束されたこと、書店で購入し保持していた中国の内部資料が国家機密に関わるとされたのが拘束理由であることなどが報道され、とくに研究者の間に大きな衝撃が広がった。研究者であれば、中国の内部資料をまったく利用しないで研究を行うことは困難だからだ。

混乱を極める香港の情勢も、研究者の中国に対する見方をより厳しいものとしている。例えば、香港のデモ参加者に覆面着用を禁じた「覆面禁止法」などが香港基本法に違反するとした香港高裁の判断に対し、全国人民代表大会の常務委員会が懸念を示すなど、香港社会の統治に対する中国政府の介入は一層の強まりを見せている。このこと自体が、警察の取り締まりの強化など、対立激化の一因となっている、という見方もある。

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