大山鳴動してネズミ一匹……というわけではないが、メディアの多くは肩透かしを食ったのではないだろうか。
10月28日から4日間の日程で開かれていた中国共産党の第19期中央委員会第4回全体会議(四中全会)で、取りざたされていた重要人事が見送られたからだ。
正確には、「見送られた」のか、「もともとなかった」のかはっきりしない。だが、そういう観測が出ても不思議ではない状況があった。
人事予測の火元は香港のクオリティーペーパー・明報。同紙の予測は、陳敏爾・重慶市党委員会書記と胡春華・副首相の2人を最高指導部の党中央政治局常務委員に昇格させるというもので、その場合、政治局常務委員を現在の7人から9人に増やすとしていた。
四中全会でいきなり人事が動くかどうかは別にしても、私も次の党大会までのどこかの時点で、大きな人事があるとの可能性を指摘してきた。それは、背景に「ポスト習近平」への動きがいくつも確認されていたからだ。
台風の目となるのは、習近平のお気に入りの陳敏爾ともともと「ポスト習近平」の大本命とされてきた胡春華である。
2人の関係に決定的な変化が見られたのは今年4月中旬である。習近平が初めて胡春華を帯同して重慶を訪れたときのことだ。
私は視察を伝えたニュース写真、映像のほぼすべてを確認したが、胡春華はつねに陳敏爾の「次」に位置づけられていたのだ。
そもそも陳敏爾が19大(中国共産党第19回全国代表大会)で昇格できなかったのは、胡春華との関係ゆえだったといわれている。つまり、先行する胡春華の頭越しに、「ポスト習近平」に持ってくるにはあまりに力不足だとの指摘を受けて、2人そろって冷や飯を食ったと考えられてきたのだ。
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