中国の自動車市場に、フル電動の高性能スポーツカーが次々と登場している。先鋭的なデザインや高い加速性能などを売りに都市部の若い富裕層などへの積極的な売り込みを図る。その背景には政府の新エネルギー車(電気自動車=EV、プラグインハイブリッド車、燃料電池車の総称)への補助金減額で市場の不透明感が増す中、趣味性、娯楽性の強いスポーツカーに活路を見いだしたいというメーカーの思惑がある。
2018年8月、発売されたQiantu(前途)K50は北京長城華冠汽車科技(CH-Auto、北京市。大手自動車メーカー「長城汽車」とは無関係)が開発、委託生産している。時速ゼロから100キロメートルまでの加速時間は4.6秒、最大航続可能距離は510キロメートルと発表されている。価格は約70万元(1元は約15円)で、国産車としては高いが、輸入のスポーツカーに比べれば安い。北京や上海などの超一等地に斬新なデザインのショールームを構えている。
超高級車から大衆車まで
一方、大衆的な低価格路線を走るのが浙江省金華市のスタートアップ、Leap Motor(零跑汽車)の「零跑S01」。こちらは純粋なスポーツカーというよりはタウンユースのスポーツクーペといった感じだが、デザインはどことなくポルシェ風でなかなかカッコいい。価格は12万~16万元と、これなら国産のセダンやSUV(スポーツ用多目的車)と変わらない。若いホワイトカラー層などを中心に好評という。このほかにも本気で「フェラーリ並み」の性能を目指すと宣言したNIO(上海蔚来汽車)の価格1000万元超の超高級スポーツカー「EP9」、江西省のスタートアップ、LVCHI Auto(绿驰汽車)が開発し、時速100キロメートルまでの加速時間2.5秒がうたい文句のVenere(金星)など多彩なフル電動スポーツカーが登場している。
この記事は有料会員限定です
残り 680文字
