中国の民族系大手監査法人である瑞華会計師事務所(瑞華)が、粉飾会計の責任を問われ、存続の危機に直面している。
今年1月15日、瑞華の監査対象である新素材メーカーの康得新複合材料股份有限公司(康得新)が短期債券のデフォルト(債務不履行)を発表した。その後、2015年から18年の4年間、康得新は実質赤字なのに合計119億元(1元=約15円)の純利益を水増し計上していたことが発覚。一時、時価総額が1000億元に迫っていた同社の粉飾は、資本市場に大きな衝撃を与えた。
7月5日、証券監督管理委員会(証監会)は康得新と瑞華の検査に着手した。その影響を受けて、瑞華が担当している30社の上場申請も中止に。米エンロン事件で解散に追い込まれたアーサー・アンダーセンを彷彿させる。
瑞華は日本でこそなじみがないが、中国の民族系監査法人のトップだ。営業収入28.7億元で9000人近くの従業員を擁している。さらに同社は40社超の中央直轄国有企業、および370社の上場企業を顧客にしている。
これだけ巨大な会計事務所なのに、社歴はわずか6年。13年4月末に、6位の中瑞岳華事務所と同9位の国富浩華事務所の対等合併により生まれた。前者は5社の合併で、後者も5社の合併でまとまった法人だ。
その背景には、管轄官庁である財政部からの大号令がある。外資系4大監査法人に対抗すべく、民族系を育てるために大手数社への集約が図られたのだ。ただし、規模拡大を優先するあまり玉石混淆となり、不正の根が温存されがちになったのは否めない。
監査法人の管理を厳格化
一方、中国政府は監査法人の管理厳格化も迫られている。鳴り物入りで今年7月に始まった新しい証券取引所「科創板」は従来の許認可制から登録制にシフトする試みであり、上場後の情報開示が重要なポイントとなるからだ。
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