数年前、中国で一獲千金を夢見る人々が仮想通貨ビットコインの取引やマイニング(発掘)に殺到したことを覚えておられる方も多いだろう。中国人民銀行(中央銀行)がICO(Initial Coin Offering、仮想通貨発行を通じた資金調達)を禁止してから、中国における仮想通貨のブームは急速に終焉に向かったが、一方で仮想通貨の発行に使われるブロックチェーン技術の応用や社会実装は着々と進んでいる。
例えば、中国において主要な税の1つである付加価値税の徴収、および仕入れ額の控除に不可欠なインボイス(発票(ファーピャオ))の発行に当たって、その偽造や二重発行を防ぐために、ブロックチェーン技術が広く使われ始めているという。
筆者は先日、浙江省杭州市のアリババ傘下のフィンテック企業、アント・フィナンシャルを訪問し、ブロックチェーン技術を使ったビジネスについて関係者に話を聞く機会があった。同社によれば、ブロックチェーン技術はとくに国際送金において広がりが期待される。すでに昨年6月からフィリピンと香港の間でブロックチェーン技術を使った送金サービスが開始されている。この技術を使えば、香港で働くフィリピン人メイドが本国に送金する際に、金融機関および複数のエージェントを経由する必要がなく、時間とコストが大幅に節約されるという。
企業間取引にもメリット
最も興味深かったのは、中小企業が銀行などから融資を受ける際にも、ブロックチェーン技術は役に立つ、という話だった。例えばインボイスの発行をブロックチェーンで行えるようにすることのメリットは、当局が納税額を把握しやすくなることだが、企業にとっても取引のトレーサビリティーが確保され透明性が高まるという。
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