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もう中国には効かない米国のソフトパワー 米国の民主主義が輝いていた時代は遠く

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  • 富坂 聰 ジャーナリスト・拓殖大学教授
羅冠聰氏(左)は、黄之鋒氏(中)、周庭氏(右)と並び香港学生運動のシンボル的存在だ(AP/アフロ)

天安門事件が再現されるような事態となれば、米中貿易交渉の合意は困難だ──。

米国のトランプ大統領は8月18日、記者の質問に答える形で中国を牽制した。

だが、この言葉にトランプ氏の強い信念を感じた人は少なかったはずだ。そもそも彼は7月には香港のデモを暴動と呼び、「中国が『責任ある行動』を取っていると確信している」と語っていた。8月に入っても「香港は中国の一部だ。中国が自ら対処する必要がある」と発言していたのだから、説得力はない。誰かから進言を受け、「これは使えるな」と切り替えただけであることは見え見えだ。

米名門にご褒美入学?

中国寄りの論調で知られる香港紙・大公報は8月21日付で、香港の自決権を求める運動のリーダー・羅冠聰(ネイサン・ロー)氏が米国の名門イェール大学の大学院に「ご褒美入学」したという疑惑を報じている。記事の末尾では「彼はイェールに行けるが、その呼びかけに応じて授業をボイコットする学生たちはジェール(刑務所)に行く」と皮肉った。

学生運動の背後にちらつく米国の影に踏み込んだ記事である。そうした関係があることは、天安門事件前後の学生リーダーたちの動きからも薄々知られていた。

だが、5年前に同じ問題が起きていたら、中国寄りメディアといえどもここまであからさまに書いただろうか? それはちょっと考えにくいと感じる。

では、何が変わったのだろうか。

ずばり、それは中国がもう米国のソフトパワー(武力や経済力によらない影響力)に動じなくなったということである。

香港の問題が核心的利益に関わり、もともと譲れない問題だという事情を除いても、中国の態度は顕著に違ってきている。

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