英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混迷やポピュリズム政党の台頭、景気後退懸念の増大など、2019年の欧州にはつねに暗雲が垂れ込めた。はたして20年には明るい光が差すのか。
英国では総選挙で与党・保守党が過半数の議席を奪還し、圧勝した。これでジョンソン首相がEUと合意した離脱協定案が議会で承認され、20年1月末にはついにEU離脱が実現する見込みだ。
次なる焦点は、英・EUの新たな自由貿易協定(FTA)交渉に移る。EUとの現状の関係が続く移行期間は20年末まで。それまでに交渉を妥結する必要がある。20年7月1日までに申請・承認されれば最大2年延長できるが、ジョンソン氏は延長しない方針だ。
しかし、FTA交渉が難航する可能性は十分ある。「EU側は、英国が離脱後に法人税率引き下げや規制緩和でEUの相対的競争力をそぐことを恐れている。財の貿易では関税ゼロを維持しても、金融サービスなどでは英国のEUビジネスを相当制約しようとするだろう」(SMBC日興証券の田坂圭子・欧州担当シニアエコノミスト)。移行期間内に妥結できなければ、英国はEUへの自由なアクセスを失い、「合意なき離脱」と同様の状態に陥る。混乱の火種は残ったままだ。英国は日米などとも単独でFTA交渉を行う必要があり、「マンパワーは足りるのか」など懸念は尽きない。
利上げ転換は22年か
欧州経済全体としては、長引く低成長から早期に抜け出すのは難しそうだ。ユーロ圏の実質GDP(国内総生産)成長率は18年の前年比1.9%に対し、19年、20年は共に1.1〜1.2%と、1%台半ばの潜在成長率を下回って推移するとの見方が多い。
この記事は有料会員限定です
残り 649文字
